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(遅いけど)明けましておめでとうございます。

2008年01月12日
 年が明けたどころか、松の内も終わってしまいました。
つーか、成人の日が目前です‥。

み、みなさま、元気にお過ごしですか?

 さて、漸くSS(フェイトとなのはのDayByDayその3)が完成しました。が、余りに長くなってしまいましたので、起、承、転、結に分けてアップします。
 もともとDayByDayは「短く纏めて素早くアップ」が基本コンセプトだったはずですのに‥やはり慣れない事を考える物ではありません。

 で、取り敢えず今日は『フェイトとなのはのDay by Day』第三回の一です。
注意:百合要素満載ですので‥ってもう注意入れなくてもいいですよね?
『フェイトとなのはのDay by Day ―デート― ★起★』

 そわそわそわそわ‥。

「‥以上の顛末により、第七十七管理世界で確認されたレリックの行方は完全に途切れてしまいました。申し訳ありません」
「フェイトちゃんのせいや無いよ。今回は完全に手遅れになってからの通報やったからね。それに他の二件はレリックを無事に確保できたんやし。勝率六割六分六厘超、上出来やよ」
「とはいえ‥残念です」
「基本的にトレジャーハンターさんたちは発掘したロストロギアの届出を嫌うさかいに‥しゃあないといえばしゃあないなぁ」
「その件ですが、レリックを普通のロストロギアと同様に、第一級捜索指定遺失物として関係者に通達するだけでは、そろそろ拙いのではないでしょうか?」

 そわそわそわそわ‥。

 機動六課の部隊長室の応接コーナーは床が一段低くなっていて、それほど眺望が開けている訳ではないけれど、それでも窓越しに初夏の明るい海を遠望できる。
 まだ激しくはない、けれど明るくて透き通った遅い午後の日差しが戸外を満たし、夏の到来が間近い事を感じさせる少し蒼みを帯びた天空光が室内を満たしている。

 私、フェイト・T・ハラオウンは今日、機動六課に出向になって初めての長期出張から漸く戻ってきた。(といっても二週間だから次元航行部隊にいた時の長期調査行に比べれば大した長さではない)
 そして、十年来の親友であり、機動六課の部隊長でもある八神はやてに捜査結果の概要を報告している。

 そわそわそわそわ‥。

「普通のロストロギアは、基本的にはロストロギア自体が危険な場合があるだけです。もちろん、その危険を軽視するものではありませんが‥。でもレリックは、ガジェットドローンによるレリックの奪取を目的とした攻撃が常に想定されます。ですから強制的な没収を行なわないとレリックの所有者に危険が及ぶ事になりかねません」
「お説ごもっとも。でも今の所、地上本部は強制力を持った公開捜査には賛成してくれへんのよ。まあガジェットドローンがうろうろしてるいうんは、言うなれば、はっきりしない敵対勢力から武力行使を受けてる訳やから、『公開する事によって社会に混乱が生じるのを避けたい』いう理屈は、解らんでもないけどな」
「しかし、ガジェットドローンの誤認と思われる物を含め、レリック以外のロストロギアが狙われた例も少なくありません。一般市民の安全を考えるのでしたら、やはり公開捜査に踏み切るべきではないかと思います」
「フェイトちゃんの言う通りやと私も思うわ。でも何やろな。この件に関しては、地上本部は妙に腰が退けている感じがあるんよ」

 そわそわそわそわ‥。

 はやても現状には満足していないらしく、俯いて考え込み出した。私はふと思いついたように、口元に指を当て小さめの声で呟いてみる。
「多少強引ですけど、少し地上本部を揺さぶってみますか?」
 一拍おいて顔を起こしたはやての目が煌いている。そう、はやては権謀術数を弄するのが結構好き‥いや、大好物といった方が正解だろう。ナカジマ三佐がはやての事を『チビダヌキ』呼ばわりする所以だ。
「フェイトちゃあん、何かアイデアがあるのぉ~ん?」
 はやてがこういう時専用の猫撫で声に、チェシャ猫のような笑い顔をプラスして、喰い付いてきた。

 そわそわそわそわ‥。

「少し先になりますが、予算審議会に備えて、志ある議員の方々が積極的な情報収集活動をなさっています」
「選良たる者の当然の義務やけど、感心な事やねぇ♪」
「もちろん私たちは管理局の一員として、不用意な情報漏洩は厳に慎むべきです」
「それもまた、組織の一員として当然の義務やねっ♪」
 全然、そんな風に思ってない事が丸解りの表情で、はやてが賛意を示してみせる。
「しかし、市民の総意によって選ばれた代議員の方が、何らかの情報を入手なさって、その真偽についてこちらにお問い合わせになった場合は‥止むを得ませんね。我々は市民への奉仕を委託されている従僕に過ぎないわけですから」
「ほうほう、面白そうなお話やね。詳しく聞こか♪」
 私も出来る限り人の悪い笑い顔を浮かべ、はやてと頷きあう。まったく‥これじゃあ私たちは、鳴海市に住んでいた頃に、テレビで時々観た時代劇の悪代官と悪徳商人そのままだ。

 そわそわそわそわ‥。

「‥概略は以上ですけど、情報漏洩時の対策に関してはもう少し細部を詰めてから、改めてご報告します。そして今回捜査した各事件の詳細に関するレポートは‥」
 私は小型のフローティングモニタを立ち上げ、スケジュールを確認する。
「三時間以内にお手元にお届けします」
「ああ。レポートは明日いっぱいでええから。それより今日はゆっくり休んでや。お疲れさま、三件続けての捜査で大変やったね」
「いいえ、二件は帰投航路の途中に立ち寄っただけでしたから、そんなには‥」
 はやてが、なんだかにやにや笑いを浮かべて私の顔をじっと見つめるので、私は言葉を途切らせてしまう。
「どうしたの、はやて? 私の顔に何か付いてる?」

そわそわそわそわ‥。

 仕事中なのについタメ口に戻ってしまった。もっともはやてには、いつも、
『あまり堅苦しく考える事はないんよ。まあ、上官とか部下とかが同席している時は必要な場合もあるけど、出来るだけ友達口調でお願いな。公務中とはいえ、十年来の親友に敬語使われるんは何やこそばゆいわ』
と諭されている。
 十年来の私の配偶者候補‥じゃない、はやてと同じく十年来の親友である高町なのはは、得たりとばかりに、はやての忠告に従って仕事中でも基本はタメ口、特別な同席者がいるような場合だけ敬語、と器用に使い分けている。
 でも、そういった臨機応変な態度をとる事に不器用な私は、仕事がらみ‥特に業務報告等の場合にはつい敬語で通してしまって、なのはやはやてによくからかわれる。

「いや。フェイトちゃん、さっきから何やそわそわしてるみたいやから」

 そわそわそ‥わ‥‥そ‥‥。

「え? あっ‥その‥」
「そやからね、フェイトちゃんに何か個人的な用事があるんやったら、今日はそっちを優先してええよって事や」
 うわぁ‥自分がはやてに見透かされるほどそわそわしていたのかと思うと、顔から火がでそうだ。
 機動六課に出向してから、二週間もなのはと離れていたのは初めてだったから‥禁断症状が‥いや、そう呆れないでほしい。時空管理局入局以降、なのはは教導隊、私は執務官を目指していたから、一緒に過ごした時間はそんなに長くないのだ。(プライベートでは万難を排して、なのはにくっついていたのは否定しないけど‥それはそれ、これはこれだ)
 引き離されていた恋人同士(ええ、仰るとおり、まるっきりの私視点ですよ。それが何か?)が、ここ機動六課でようやく、ほぼ毎日一緒に過ごす時間が取れるようになったのだ。ごく控えめに言っても、二人が‥少なくとも私は、歓喜と至福に酔い痴れて日々を過ごしていたのは間違いない。
 それが、ほどなく、また引き離されたのだ。その悲嘆と落胆と苦悩がどれ程のものか、想像するだに余りある‥って、自分の事なんだけどね。
 ‥もしかしたら、私の方だけかも知れないけどね。

 まあ、つまり、だから、その、もうすぐなのはに逢えるのを楽しみにしている私が、ついそわそわしてしまうのは仕方ないと思ってもらえれば嬉しい。

 とはいえ、不安、焦燥、疑心、渇望、妄想、挙動不審等の諸症状を伴う私の『なのは分欠乏症』は生活に実害が多いよ。シャマル先生に診てもらえば、『優先的、継続的な治療(なのは分の大量投与とか‥)を施すべき難病』として認定してもらえるのは間違いないぐらいの重病だと思うんだけど。

 私が埒もない物思いに耽っていると、はやてが何だかひどく楽しそうに、私の顔を覗きこみながら話を続けた。

「いやー、『管理局随一の美貌と実力を誇る執務官』との呼び声が高いのに、十年以上も浮いた噂ひとつなく清らかに過ごしてきたフェイトちゃんにも、とうとう春がきたんかと思うと、私も感慨深いわ」

 ‥‥‥えっ?

「は、はやてっ。何を言ってるの!? 私は別に‥」
「あれ、デートやないのん? でも、そのそわそわぶりはどう見ても、恋人との逢瀬を控えている乙女やよ」
 それまで、有能な副官に相応しく、私の報告の邪魔にならないよう別の仕事に没頭する事で、自らの存在を空気に擬していたリインフォースⅡが、『デート』という言葉に反応して、凄い勢いで顔をこちらに向けた‥と同時に悲鳴めいた、でも嬉しそうな叫び声を上げた。
(リインは、はやての薫陶宜しきを得て(私やなのはよりはずっと)普通に女の子らしく育っているので、恋愛絡みの話題は結構好きなのだ。もうひとつ言うと、はやて本人の恋愛嗜好はかなり風変わりだが、リインには今の所、割と常識的な恋愛観を説いている)

「きゃーっ! フェイトさんってば、デートなのですかっ!」

「いやっ! 違うからっ!」
 デートだったらどれだけ嬉しいかしれないけど(ただし、相手はなのはに限るっ!)、そんなのじゃないから!
 でも、
『半月ぶりになのは分を補給できるから、ちょっと興奮気味なだけ』
とは口が裂けても言えないので、出来るだけ平静を装い、
「ご想像にお任せするね、リイン」
とウインク付きで切り返した。
 リインを上手くあしらったつもりだったけど、それを聞いていたはやてがとんでもない事を言い出した。リインへの対応に気を取られていたとはいえ、一瞬でもはやての存在を失念するとは‥痛恨の失策だ。
「ほー、本当にデートなんやの? ‥よっしゃ分かった! 私に任せときっ」
「任せたくないっ! はやてが張り切ると大体とんでもない事態に‥」
 嫌な予感がした私は、慌ててはやてを制止しようとしたけど、遅きに失してしまった。

「リイン、六課のみんなに一斉連絡やっ!
 『今日これから挙行されるフェイト・テスタロッサ・ハラオウン執務官のデートは、何人たりとも、如何なる事情があろうとも、決して邪魔をしたらあかん!』
って、お願いな。そうそう、私の魔導花押を署した上でやで」
 六課部隊長八神はやての魔導花押が署されているって事は‥、実質、部隊長命令って事でっ!

用語解説 魔導花押
魔法による諸現象に付属させる追加効果。施した魔法の術者を明確にする為の個人認証の一種。光、音、平面図形、立体図形、装飾文字等、状況に応じて様々な形で感知される。個人の魔力波動に大きく依存する術式である為、基本的に偽造は不可能。
リインフォースⅡははやての魔導花押を署せるが、それはリインフォースⅡが人格型ユニゾンデバイスで、はやてがそのロードであり、かつマイスターでもあるという特殊事情による。人格型ユニゾンデバイスが大変珍しい存在である現時点では、殆ど唯一の例外である。


「ちょっ、まっ‥はやて、何を勝手な!」
「了解です、マイスターはやて♪」
「リインもちょっと待って! いくら、はやての命令だからって‥少しは疑問に思おうよっ!」
 私の制止をものともせず、リインはノリノリではやてに敬礼を返すと、フローティングモニタに顔を寄せて、疾風の如き勢いでコマンドをタイプした。
「ではでは‥‥よぉし! いま、念話とBC(ブロードキャスト)念話で全員に通達しましたです。フェイトさん、これで妨害は入りませんから、存分に想いの丈を遂げて下さいねっ♪」

用語解説 BC(ブロードキャスト)念話
魔法特性を持たない人や魔法訓練を受けてない人にも受信できる念話。通信デバイスによるブーストがないと多人数への念話は難しく、その場合でも中継端末がないと広範囲への通信は難しい。そうした欠点にも関わらず、通信対象を個人単位で特定できるので、秘匿用件のある組織の館内放送として使われる事が多い。この場合のブロードキャスト(broadcast)は物理的な受信範囲の広さではなく、受信できる人の範囲が広い事(魔導士以外を含んでいる)を意味する。


 半テンポ遅れて、六課のあちこちから、歓声だの、悲鳴だの、何かがひっくり返る音だのが遠く聞こえてきた。
 そりゃそうだろう。真面目に仕事をしている最中に、いきなり「デートの邪魔をするな」って、しかも部隊長命令の形で念話が入ったんじゃあ‥。

 それにしても、『想いの丈を遂げて下さい♪』‥か。でも、もし私が、私の本当の想いの丈を遂げる事に成功したら、リインやはやても驚いてひっくり返るぐらいじゃすまないと思うけど‥って、それどころじゃないっ!

「な、な、な、なんて事をっ!」
「でもなフェイトちゃん。こうでもしとかんと、有能なフェイトちゃんに仕事の手伝いを頼みたがっている連中はごまんといるからなあ」
「そんな‥でも、はやて‥」
「仕事上の必要だけやなく、同じ仕事するなら素敵な上司と一緒がいいって考える、仕事に対する姿勢が邪まっちゅうか、煩悩に対する姿勢が誠実っちゅうか、そんな連中も少なくないしー♪」
「いや‥だからね、はやて。プ、プライバシーに類する事を部隊長命令で通達するのはどうかと‥」
「でも、部隊付執務官であり『ライトニング』分隊長であるフェイト・テスタロッサ・ハラオウンの本日の業務予定についての連絡やろ。立派な公務やん」
 はやてが、その瞳に悪戯っ子の輝きを宿して嬉しそうに嘯く。ああもう、はやてってば、年を追う毎に性格が悪く‥。
「またそんな‥それって単なる牽強付会だよ!」
「それにフェイトちゃんは頼まれるとイヤやって言えん性格やし‥」
「う‥それは、その‥」
「これで安心してデートに専念できるやろ。感謝されこそすれ文句を言われる筋合いは無いんちゃうかなあ」
「だからっ! デートじゃないって言ってるでしょうがあっ」

 はやては笑いながら、私の手を引っ張って強引にソファから立ち上がらせると、背中を押して部屋から押し出そうとした。
「よいしょ、よいしょ♪」
気がつくとリインまで、はやてと一緒になって嬉しそうに私の背中を押している。
 もっともリインは、物理的には非力だからまったく役には立っていない。‥と思ったが、何だか‥はやてより強烈な押しを感じる。
 おかしいと思ってリインの様子を確認すると、その足元で白く輝くベルカ式魔方陣がゆっくりと回転していた。なんとリインは物理的な排除機能を持つプロテクション・フィールドを展開して、その排除機能に伴う圧迫力で私を押し出そうとしていた。

「こら、リイン! こんな事で魔法なんか使っちゃだめだよっ」
「いやいや、ナイス判断やで、リイン♪ フェイトちゃんこそ想い人を待たすもんやないよ。早よ行ってあげんと」
「だから、違うって!」
「フェイトさん、ファイトですよっ!」
「人の話を聞けーっ」


『フェイトとなのはのDay by Day ―デート― ★承★』 に続く

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